結局は自分の好きなことを貫き通したやつが負け - ハックルベリーに会いに行く
「結局は自分の好きなことを貫き通したやつが勝つ」というのはよく言われることだ。そしてお笑い芸人を目指している生徒たちも、たいていはそういうもんだと信じていて、自分の好きなお笑いを貫こうとする。自分が面白いと思うネタを作ってくる。自分がやりたいお笑いをやる。
しかし、そういう生徒はことごとくウケないのだ。学校では月に一度、生徒たちによるライブを開催していて、そこでは見に来てくれたお客さんによる人気投票も行われているのだけれど、自分の好きなことを貫き通した生徒から順に、人気投票の下位から並んでいくのである。
上記の話、「顧客の方を良く見ろ」って話を、「好きを貫く」と結びつけちゃってるせいで変な話になっちゃってると思います。
より観客がウケた芸人が、「好きを貫いてなかった」かどうかって、どうやって判断しているのかな?
ひょっとして「ウケなかったということは、顧客の方を良く見ずに、自分のやりたい事を優先した結果だ」っていうように、逆から判断していません?
つまり、「顧客の方を見る」事と、「自分の好きな事をやる」事を、相反する事象だという前提で話している。
この二つって、別に相反しないと思うんですよ。
もちろん、お客さんの方を良く見るってのは大事なことで、ビジネスっていうのは相手が居てこそなので、そもそも相手を見ていないと成り立たない。
でも、相手をどれだけ良く見たとしても、「じゃあ何を与えよう」ってなった時に、それをどこからひねくり出すかというと、「自分」なんですよね。
「それも相手を良く観察して、相手から引き出すんだよ」っていう人もいるかもしれないのですが、よーく考えてみてください。「引き出すのは、やっぱり自分」なんです。
相手のどこを観察するか、観察した結果をどう捉えるか、そういう部分は全て、「自分」に委ねられます。
そして、そういう時の判断基準って、結局のところ「自分の好き嫌い」になるのですよね。人間の脳みそなんて、所詮好きか嫌いかの二者択一。
だからこそ、「自分が何を好きか」ということを常に意識している人は、強い。
そういうのが弱い人は、どこまでも「他人の評価」を基準に考えようとしてしまい、出来上がったものも「なんだかどこかで見たようなもの」になってしまいがちです。芸人だって、おそらく「二番煎じ」的なものになるでしょう。それでは、なんとなく少しは売れる事ができるかもしれませんが、個性がぶつかり合う芸能界では生き残りは難しいんじゃないでしょうか?
いや、別にネタ的には二番煎じでもきっといいんです。結構、笑いのコアなんてどれも似たり寄ったりなので。但し、それを「自分の好きなもの」にかぶせたり、アレンジしたりして、見せ方を工夫できる人が、飽きられずに人を楽しませる事ができるんじゃないかなー。
まぁ、最後の方は所詮お笑いの素人考えなのでどうでもいいですが。
そんなわけで、「顧客の方を見る」というのは、非常に大事なので忘れちゃいけない。「自分が好きなこと」だけをやっていても、誰に届けるか考えないと成功できない。でも、だからといって「自分が好きな事」を忘れちゃっていいわけじゃないと思うのです。
そもそも「好きを貫く」って、別に好き勝手やれって意味じゃないんですよ。
当然、それにはいろんな障害が付きまとうわけで。芸人が「好きな事だけやっててもウケない」なんてのも、障害の一つですよね。そこで、「なんとしても自分の好きなことをやりながらウケるようにする」為に、お客さんをよく観察するんです。必死で。その中に、自分の「好き」を活かす道がないかを探るんです。それが「好きを貫く」であって、何の工夫もなく単に好き勝手やってればいいって話じゃあ、全然ない。
例の芸人スクールの結果が出せない生徒さん達は、その辺の「工夫」が足りてないと言う事なのでしょう。
そういう人達に、「おまえら一旦、自分のやりたい事は忘れてみろ!」って言う話をするのは全然構わないと思います。お客さんを良く見るきっかけとして。でも、それを一般化して、「自分の好きなことを貫き通したやつが負け」まで言っちゃうと、それは違うなーと思うのでした。
えー、久々に「好きを貫く」の話なので、「好き」についてもうちょっと。
先ほども少し書きましたが、人間の「好き」という気持ちは、その人の判断能力を左右する非常に重要な感情だと思います。また、世界をどう捉えるか、世界の見え方そのものに影響します。
重要なのは「好き」という感情を追い求める事です。たった一つの何かを追い求めることではなくて、自分の心の中の「これ好きだ!」って気持ちを大切にするのが「好きを貫く」ということです。
人間誰しも、行動に制限があります。「行動を貫く」事が、往々にしてできません。しかし、「好きだと思う気持ち」を制限することは、誰にもできません。唯一それが可能なのは、自分自身です。
そして、その「好きだと思う気持ち」(「やりたい」とか「本当はできるはずだ!」と思う気持ち)を自ら封印してしまう人、またはそれに気づかないまま過ごしてしまう人は、結果的に様々なチャンスを見過ごし、行動の自由を奪われることになります。
今はお金や時間がなくて出来なかったり、他の様々な事情で「無理だ」という状況だったりしても、「でも、それが好きだ。本当はやりたいんだ」という気持ちだけは忘れず、ごまかさず(例:「ホントは別にやりたくないんだよ」)、貫いていければ、と思います。
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僕もこの方のエントリーを読ませてもらったときに
????でいっぱいでした。
僕もお笑いは素人ですが
自分の好きなこと≠面白いこと
というのはよくわかります。
ただ
自分の好きなこと≠観客のほうをみる
というのは違うなと
必要なのは自分のオモシロイと思う切り口で
かつ独りよがりにならない普遍性
あるあるネタが好きでも
それがあからさまにあるあるネタをわかる切り口だと
なんでこいつが芸人やねん という感じですが
うまく味付けしてくれるとそこに才能を感じることができると思います。
そう味付け
好きなことをいか味付け多くの人になっとくさせられるかが
自分を貫くってことなんだなと思います。 — 無花果タルト
味付け、いいですね。いつもストレートにいけばいいですが、大抵は変化球必要ですもんね。
私も肝に銘じなければ・・。 — chikura @ 12:14AM 2010-04-15