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カテゴリー システム開発November 12, 2010

初期費用ゼロ・月額料金制が、システム開発を「本当のビジネス」に変える ID:1289526144 このエントリーを含むはてなブックマーク



永和システムマネジメントさんの新しい契約形態が話題を呼んでいる。

新しい契約形態での受託開発サービス | 永和システムマネジメント

業界のこれまでの慣習では、受注して要件定義後に見積もりをし、納品してから一括でお金を頂くという形が通常だったが、これをなんと、初期費用ゼロ、月額課金方式にしようというのである。まさに革命的と言える。

これを彼らがアジャイルの文脈で語るのは、この方式が要件定義や開発手法から自由になる為であろう。

これまでのやり方だと、どうしてもまず「見積もり」が必要になる為、最初にある程度完成形を見極める必要がある。それも、その見積もりは精度が高ければ高いほど良い。それが顧客にとっても開発側にとってもメリットとなっていた。

しかし、アジャイルでは、「作る前にそんな高い精度の見積もりをするのは無理だ」というスタンスである。システム要件というのは作りながら決まっていくものであり、そもそも顧客自身が「自分が何が欲しいのか」をなかなか決められない事は多いというのは、私自身も経験上、実感できる。

この、アジャイルな開発手法に最も適した契約形態はなんだろうか、と考えて導き出されたのがこの初期費用ゼロの月額課金方式、なのだろう。

パッと見て、この方法にはいくつかの疑問が浮かぶ。

まず、「改造費用は誰が持つのか」。初期費用ゼロで作って、後は月額で長くお金を頂きながら費用を回収する・・・そこまでは分かる。しかし、システムというのは使いながらも改修が行われて行くものだ。その費用はどうするのか?

サービス概要を見ると、どうやら「ある程度は月額料金の中で対応しますよ」ということのようだ。また、一定量を超えたものについては別料金ということになるらしい。「チケット」という、1人日にあたる稼動を利用できるものがあるようなので、それを追加購入する形になるのかもしれない。

いずれにせよ、このモデルだと、月額料金のうち一部は改修費用として消えていくようだ。つまり、結構安いように見える月額料金は、さらに「お買い得」な料金なのである。

300万円の小規模システムを月額15万円のプランSSで作ったとして、これがペイできるのは20ヵ月後・・・ではなく、1チケット(1人日=5万円とする)料金を抜くと、10万円×30ヶ月(約2年半)である。

しかし、実際の所、この30ヶ月の間に必要とする改修(保守・サポートも含む)費用は、30人日程度で済むものなのだろうか? いや、実際には「打ち合わせ」「緊急呼び出し・対応」など、意外とコストがかかるものである。

そうなってくると、これを採算ラインに乗せる為には多くのケースで「追加費用」が発生するものと思われるが、それを頻繁にやってしまっては、この契約形態の意味が薄れてしまう。

私が思うに、この契約形態の面白さは、「システムをよりよくする為のリスク」を、なぜか顧客側ではなくシステム側が負っているというところにある。

これまでは、「システムのこの部分をこのように変えると、とっても良くなりますよ。ただ、その分お金がかかります」という提案しか出来なかったものが、「こうするともっと良くできますよ。もちろん月額料金の範囲内で可能です」と提案できる。

開発側としては、それでシステムがよりよくなり、サポートコストが下がったり、単純に長く使えるようになれば、メリットがある。

こういうシステム改善提案が気軽にできるようになるというメリットが、この契約形態にはある。

しかしそれが採算ラインにのる為には、あくまでも月額料金による収入が、かかるコストを上回る必要がある。

この辺はやってみないとわからない部分だろうと思うのだが、私の感覚では、月額15万円のプランSSではペイしないだろう。恐らく持ち出し部分が多く、小さな要望を細々とこなす、非常に効率の悪い小さなコストが積み重なり、結果的に技術を安売りしているだけの商売になる恐れがあるように思う。

逆に、ある程度高い案件では、これはそれなりのメリットを生み出すかもしれない。月額料金が高ければ高いほど、長く使って貰うことのメリットが生まれる。これは当たり前の計算だが、300万円で作ったシステムをプランSS月額15万円で40ヶ月使ってもらうと600万円、つまり300万円の利益になるが、3000万円で作ったシステムをプランLLで月額150万円で40ヶ月使ってもらえば、利益も当然10倍、3000万円になる。一度作ったシステムにかかる保守コストというのは、規模に単純に比例して大きくはならない為、結局は大きいものを作った方がメリットが高い。

しかし大規模なシステムをこの契約形態で売った場合、リスクも比例して大きくなる。もしそこまでして作ったものを、1年程度で「別のパッケージソフトに切り替えることにしました。今までありがとうございました」と言われたり、または「ゼロベースで作り直すことにしたよ」と言われてしまったら、どうするのだろうか?

いや、もっと単純に、採算ラインに乗る前に、その会社が倒産してしまったらどうする?

結局の所、どちらにしてもメリットの薄い商売、ということになってしまう可能性があると思うのだ。この辺のところは当然考えられていると思うのだが、どのような仕組みを用意しているのか気になるところだ(DELLのリース契約のように、3年間固定契約で、途中解約は違約金がかかったりとか?いや、サービス概要を見ると、いつでも解約可能、とある)。

ちなみに、「初期費用ゼロ、月額固定料金で制作します」といううたい文句は、実はウェブ制作業界でたまに見るパターンだったりする。(「初期費用ゼロ ホームページ制作」で検索すると、たくさんヒットする)

ウェブ制作業界でも、通常はシステム開発業界と同じく、見積もりの後制作、納入してから一括で費用を頂く、という形が一般的だ。

しかし、大抵のウェブ制作では非常に小規模な顧客を相手にすることが多く、50万円、100万円、といった規模の仕事も多い。そして、この金額がなかなか一括で出せない顧客もいるのである。

これを、手を出しやすいような「月額2万円」などの料金で、初期費用ゼロでウェブサイトを作ってあげましょう、と提案するのだが、一般的にウェブサイトの寿命はシステムと同じく3年程度である。ということは、月額2万円で36ヶ月だと、72万円で、もし100万円程度の費用で作った場合、ペイしない。

それどころか、この月額にはやはりある程度の更新も含んでいるので、単純計算では50万円にも満たない制作費しか残らない。これでは大して良いビジネスとは言えず、単に自分を安売りしているだけになってしまう。

もちろんこれにはからくりがある。

この方式で売るウェブサイトは、機能・レイアウト、ページ構成などがすでにテンプレート化されているのである。オリジナルデザインを適用したい場合には、別途オプション費用が必要になる。もちろんロゴ制作や写真撮影などは、多くのケースでオプション料金が必要になる為、本当に初期費用ゼロで作ろうとすると、「WordPressの無料テンプレートで自分で立ち上げた方がナンボかマシ」なサイトが出来上がってくる可能性すらある。とはいえ、普通の顧客には自力でそこまですることすら難しく、自社サイトが無いよりはよほどマシなことも多い為、これでも十分にビジネスになるのである。

テンプレートが用意されており、機能もある程度限定されている、という状況下においては、この月額料金制度はなかなか美味しいビジネスとなる。

なんせ、一度テンプレートをきっちり作りこめば、あとはそのコピーをどんどん売って行けばいいのだ。多少の個別カスタマイズは必要だろうが、基本部分は同じなわけなので、保守コストも非常に低い。

粗悪なテンプレートを量産する業者はあまり良いものとは言えないが、ちゃんと作りこんでカスタマイズも考えてあるテンプレートを用意してあるのなら、これはWin-Winの良ビジネスではないだろうか。

翻って、元のシステム業界に話を戻してみよう。
初期費用ゼロ・月額料金制で、うまみのある健全な商売をしようとした場合、どのような仕組みが必要だろうか?

もし、「システムテンプレート」のようなものを作ることができ、各顧客向けにカスタマイズ・パラメータを入力するだけでカスタム・ソフトウェアが生成されたりしたら、それは最高のビジネスになるだろう。

SEは顧客の要件に応じたパラメータを入力し、それを納品すればよいだけになる。

しかしこれではあまりにもアレだ。というか、全然アジャイルじゃない。単なるパッケージビジネスだ。用意したテンプレートが顧客の要望に対応できなければ、そこで終わりである。

しかし、これに限りなく近づけることは、努力次第で可能ではないだろうか?

良いシステム開発会社は、内部に「再利用可能なライブラリ群」を持ち、保守し続けていることが多い。続けて行くと、だんだんと「自社の得意分野」が見えてきて、その分野のソフトウェア・コンポーネントが固まってくるというのが、良いフィードバックだと思う。この発想を、もう少し推し進め、私なりの提案をしてみよう。

まず、自社で利用する技術やフレームワークをいくつかに絞り、限定してしまおう。そしてさらに、それらの組み合わせパターンをいくつか挙げて、それ以外の組み合わせは禁止とするのだ。これらのパターンは、日々メンテしていけば良いと思うが、パターンを1つ増やすときはいずれかの使われなかったパターンを廃止にするぐらいの勢いが大切だ。必要なのは絞込みと、「なんでもできます」を諦めることである。

これにより、保守コスト、アーキテクチャ提案コストが大幅に下がる。ハードウェアの組み合わせも大幅に減る為、調達コストも下がる。

次に、それらの技術・フレームワークを前提とした、汎用自社アプリケーション・フレームワークを規定しよう。それは別に完全自社開発でなくても構わないと思うが、ソースコードレベルからカスタマイズできるような体制になっているべきだろう。

このような形で、「再利用できるもの」を増やしておけば、このビジネスはソフトウェア・ライセンス業にかなり近づく。ソフトウェア本来の、コピー(再利用)してもコストはゼロという、爆発的な破壊力を秘めた特徴を可能な限り利用できる。

もしこのような体制を作らず、これまでどおり完全オーダーメイドで一から提案します、というような作り方のまま、「初期費用ゼロ、月額料金制」という提案をしてしまえば、それはむしろシステム業界の堕落につながるのではないかと危惧している。

なぜならそれは、「ソフトウェアの価値を一律料金で扱う」という、人月商売の悪しき習慣を彷彿とさせるからである。現場の人間は、どれだけがんばってよいものを提案しても、入ってくるお金は定額、しかも、これまでは終わったらガバッと入ってきたのに、これからは「対応まずかったらいつでも契約切るよ」という立場に追い込まれるのだ。

果たしてモチベーションが維持できるのだろうか?

月額料金を、「分割料金」という切り口で消化してしまってはいけない。月額料金は、あくまでも顧客との関係をよりよく改善し、維持していくための原資であり、その関係を築く最初の入り口となる「システム」を、毎回新たに一から作っているようでは、まずその「月額料金」は、システム開発・保守費用の「分割料金」として消費されてしまい、顧客との改善に向けられるコストは残っていないだろう。

言って見れば、この「初期費用ゼロ・月額料金」という制度は、本当の意味でソフトウェア開発業を「ビジネス」として捉えるための絶好の機会であると言えるのではないだろうか?

最後になったが、永和システムマネジメントさんのチャレンジには敬服するばかりである。これがきっかけとなり、新たな風がシステム開発業界に吹くことを願っている。この記事が何らかの示唆になれば幸いであるが、もしそうでないなら「全然分かってないな」と笑い飛ばし、前に進んで頂ければそれまた幸いと思う。

— posted by chikura @ 10:42AM | LinkMe | Comment (4) | TrackBack (0) |  top↑



カテゴリー モバイルJuly 06, 2010

私がiPhone4の予約をキャンセルした理由 ID:1278381494 このエントリーを含むはてなブックマーク



iPhone3GSを買ってからまだ1年経ってないというのもあるのですが、いろいろ考えた結果、iPhone4を見送ることにしました。実はだいぶ前に予約もしていて、もうすぐ届くといわれていたのだけど、キャンセルしました。

理由は次の通りです。

1. 解像度が上がってもUIは変わらない。

解像度が縦横2倍のRetina Display。これがiPhone4の最大の魅力だと思っています。

パソコンだったら、解像度が上がるとアプリの情報表示量が増えたりしますよね。しかし、iPhoneの場合、表示される情報は、イコール、操作対象でもあるのです。その為、解像度が上がったからといって表示内容を小さくしてその分たくさん詰め込む・・・ということがやりづらい。

ということは、iPhone4になったとしても、文字や画像が美しくなるだけで、ユーザーインタフェースが劇的に改善されたり・・・という事は、通常、あまり起こらないと思いました。

もちろん、Safariなどで、「わーい!拡大しなくても文字が読めるやー!」といったうれしさはあると思うのですが、現実的にその大きさでずっと読むか、というと、やっぱりiPhoneぐらいの大きさで「最適な文字の大きさ」ってのはそれほど変わらず、結局、ダブルタップである程度拡大して読む、これまでのやり方に落ち着くのではないかなー。

そんな気がしたのでした。

単に解像度が高くてユーザーインタフェースも向上したiPhone・・・というなら、既にiPadを持っていて、これで十分だということもあります。


2. 体感速度はそれほど上がっていない。

A4プロセッサが搭載されたことにより、ものすごい爆速で動くiPhone・・・というのを期待していたのですが、「ベンチマークで比較! iPhone 4は3GSや3G、iPadより速いのか? - デジタル - 日経トレンディネット」や他の記事などを読んでいる限り、iPhone4は3GSに比べて劇的に速度が上がった、ということは無いようです。

iPadと同じA4プロセッサを積んでいるのに、何故?という点ですが、これは、A4の発熱を防ぐ為にCPUをクロックダウンしてあるのではないか・・・という噂があり、割と説得力があります。

また、メモリが256MB→512MBに上がっているという点についても、解像度が縦横2倍・・・つまり画面領域としては4倍になっている事を考慮すれば、それほどのアドバンテージではありません。

より低消費電力で(つまり熱の発生を抑えて)高速動作するA4プロセッサの登場に期待して、今はもう少し待ってもいいのかな、という気持ちになりました。

※と、書いてるうちに、iPhone4のデータ通信速度が上り10倍ぐらい速いという話が出てきました。これは素直に羨ましい・・・でも、今の3GSの表示速度に困っている訳ではないのも事実・・・。(「iPhone 4はアップロードが超高速化! iPhone 3GSの10倍超も... - MSN トピックス」)


3. iOS4の機能は3GSでも使える。

iOS4になって搭載された「マルチタスク」や「フォルダ」等の機能は、3GSでも快適に利用できます。特にバックグラウンドでネットラジオ等を聞けるマルチタスクは非常に便利で、3GSでもまだまだいけると実感させてくれます。

細かい所では、カメラのシャッターがめちゃくちゃ速くなって喜んでいます。私はパノラマ写真をとる時に「AutoStitch」という有料アプリを使っているのですが、これの使い勝手が劇的に向上しました。パシャパシャパシャパシャ、みたいに連続して周囲の写真が撮れ、そのままAutoStitchに放り込んでパノラマ化できます。

Bluetoothキーボードも問題なく接続できています。これでskypeをしたら、あまりにもパソコン的に使えてしまって驚きました。


4. 結局、3GSでそれほど困っていない。

これが一番重要な点で、本当に、3GSでまったく困っていないのです。
解像度が低くて困るなんて思ったことは一度もないですし、処理速度に関しても同様。内向きカメラが欲しいと思ったことはUstreamをしている時に何度かありましたが、これもまぁ、そんなに頻繁にあることではありません。

ジャイロセンサー等も、現状iPhone3GSのアプリで傾きセンサを使ったアプリをそれほど使ってない事もあり、そんなに魅力的には映りませんでした。

バッテリーについては少し伸びているみたいですが、「買い換えよう!」と思えるほどの伸びではないようです。

参考:iPhone 4 対 iPhone 3GS 詳細比較チャート

5. iPhone4に不安がある。

3GSに不満が無いのに対して、iPhone4には不安がいくつかあります。

まずは、ネットで騒がれている電波感度の問題。左手で持つとアンテナが手で覆われてしまい、感度が下がる、というものです。

これについては「そんなことは他社製携帯でもあること」とか「そもそもiPhone4は3GSより感度が上がっている。持ち方で感度が下がるというのは些細な話」という意見も見られ、それほど敏感になることではないのかもしれません。

しかし、前述の通りiPhone4を熱狂的に欲しい!という状況でない為、こういう些細な事が、気分を萎えさせる原因になってしまいます。

電波感度の問題は3G通信だけではありません。WiFiについても感度が悪くなったとあちこちで書かれているのを見かけています。実は手持ちのiPadも自宅のWiFiルータと相性が悪く、頻繁に接続が切れます。iPhone3GSではそんなことがないので、これをiPhone4に変えたら同じ症状が出るかも・・・と思うだけでだいぶ萎えます。

また、タッチパネルがガラスになり、背面もガラスコーティングされた、という点も気になっています。タッチパネルはこれまで強化プラスチックでした。これがガラスになったことで美しさはアップしたのでしょうが、当然、その分割れやすくなります。「特殊な強化ガラスなので、プラスチックより硬い」という話もあるようですが、所詮ガラスですので、以前より硬くなったということは無いように思います。

自分、結構、ポロリと床に落とすことがあるんですよね・・・まぁ、衝撃で割れるほどの落とし方はしたことがないのですが、こういう点も気分を萎えさせる原因になってしまいます。


* * * * *


以上を踏まえると、「なんか、もう少し3GS使いながら、次のiPhoneの登場を待ってみようかな?」と思えるのですよね。

もちろん、Retina Displayはやっぱり羨ましいし、それなりにシャキシャキ動くらしいSafariにも未練はあります。とはいえ、5万円近く出して買い換えるほどか・・・?と言われると、そこまでは・・・という。

それだけ3GSは完成度が高いということなんだろうと思います。

来年恐らく、バッテリーの持ちや通信速度を向上させたiPhoneが出るのではないかと思っています。

そうしないと、iTunesのクラウド化などに対応できないからです。

もちろんアンテナの問題は改善され、タッチパネルの素材もより硬いものに交換されるかもしれません。

個人的には、画面サイズかもしくは本体サイズがもうちょっとだけ小さくなったやつを所望しているのですが。

来年に期待しつつ、今はiPhone4ユーザーを横目で見るとしましょうかね・・・。

おまけ:iPhone5の紹介ビデオが流出!次のiPhoneは「透明ケータイ」だ!
27CDB6E-AE6D-11cf-96B8-444553540000" codebase="http://download.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=9,0,47,0">


p.s.
この記事を見て「こんなこと書いてるけど、ホントは欲しいんだろ? 素直になれよw」と思われたiPhone4ユーザーの皆様へ。

ああそうだよ!欲しいからくれ!

— posted by chikura @ 10:58AM | LinkMe | Comment (13) | TrackBack (0) |  top↑



カテゴリー モバイルMay 10, 2010

iPadを自分用に買おうとしている人へ ID:1273454245 このエントリーを含むはてなブックマーク



iPadが5/28発売決定、本日から予約受付開始となりました。

iPad
http://www.apple.com/jp/ipad/



米国でも品薄が続くこのコンピュータ、おそらく日本でも早々に品薄になる可能性があります。
少しでも早く欲しい方は、お早めにご予約を・・・しかしそれは、あなたの為ではなく、あなたの周りにいる、パソコン初心者の為に、です。

この記事は、iPadを「自分用に」買おうと思っている人に向けて書いています。

iPadについてのレポートは、これまで英語・日本語含めて腐るほど読んできたのですが、印象として感じるのは、「今、パソコンやiPhoneを使いこなしている人」にとっては、おそらくiPadというのは中途半端に感じるものだろう、ということです。iPadのユーザーインタフェースが非常に使い勝手の良いものであるというのは誰もが認めるところですが、普段からパソコンを使っている人にとっては、どうしても、もうちょっと物足りない。

外出時に持ち歩くのにはiPhoneの方が取り回しがきくし、例えば電車の中でちょっと取り出して使うのにはiPadは大きすぎます。

また、家で使う場合、既に自宅でパソコンを使う環境を持っている人であれば、わざわざそれを置きかえる程のメリットがありません。iPadではskypeチャットもやりづらいですし、動画をダラダラ長めながらブログ更新・・なんて作業もできません。活躍の場があるとすれば、リビングなどでくつろいでいる時、つまりこれまではパソコンなんて使わなかったようなシチュエーションにおいて、ちょっと使う機会が増えた、というような事ぐらいです。

ベッドでの利用についても、基本はiPhoneの方が「寝転びながらのブラウジング」には向いているでしょう。

さて、これらはすべて、「iPhoneやパソコンを使いこなしている人」に限った話です。

iPadは初心者向けのコンピュータ、として作られています。
Macintoshは、「The computer for the rest of us(我々以外の人々の為のコンピュータ)」を標榜して作られたそうですが、iPadはさらにこれを推し進めたコンピュータだと思います。

iPadは、インターネット・ブラウジング、音楽・ビデオ、ゲーム、といった、非常にライトな利用方法について、「どうすればそれが簡単に、誰でも扱えるようになるか」という視点から設計されています。

今のパソコンは、ほとんどどんな用途にでも使えるようになっている代わりに、複雑化が進み過ぎて、もはや普通の人にとっては難解すぎるものになってしまいました。多くの人は(あなたの奥さんやご両親、又はパソコンを使わない友人を思い浮かべてください)、パソコンでブラウジング、音楽・ビデオ、ゲームができれば十分で、skypeチャットするぐらいなら電話するでしょうし、ブログ更新なんてしません。

つまり、普段パソコンを使わないような人にとって、iPadは「待ち望んでいたコンピュータ」なのです。

下のビデオは、100歳になるおばあちゃんが、初めてのコンピュータとしてiPadをプレゼントされている様子です。
彼女は緑内障を患っていて、読み書きが困難だったそうですが、iPadを使って読書や詩を書く事をまた楽しめるようになったのだそうです(ビデオの最後に流れる詩は彼女が入力したもの)。



iPadは、「タッチパネルで操作できるパソコン」ではありません。
パソコンを良く知っている人には、iPadは「ネットやゲームにはいいけど、○○がやりづらい」という不満を抱くことでしょう。

でも、パソコンにネットとゲーム、ビデオや音楽しか求めていない人にとっては、「iPadって最高!」となること請け合いです。「キーボードがついていない」事をデメリットとしか感じられない人は、iPadを買ってはいけません。

下のビデオは、iPadをキッチンに据え付けた例です。ここに、日本のレシピ検索アプリ「クックパッド」を表示したら、楽しいと思いませんか?



さあ、今すぐiPadを、あなたの為ではなく、貴方の妻、子供、両親の為に注文しましょう。


p.s.

コンピュータギークであっても、iPadを買う十分な理由がある人がいます。

・ミュージシャン:iPadはまったく新しい楽器体験をもたらします。
・ゲーマー:iPadには、これまで無かったようなゲームがあります。
・営業:iPadは素晴らしいプレゼンツールになるでしょう。
・iPadアプリ開発者
・その他、特定用途向けのツールとして。

「パソコン」をiPadに求める人にとっては、「とりあえず様子見」どころか、永遠にiPadはあなたの需要にマッチするようにはならないと思います。

— posted by chikura @ 10:17AM | LinkMe | Comment (2) | TrackBack (0) |  top↑



カテゴリー 製品・サービスApril 19, 2010

iPadを個人輸入しようとして酷い目に遭った件 ID:1271682180 このエントリーを含むはてなブックマーク



iPadの発売が5月末に延期された事を受け、「もう待てにゃい!」とばかりに個人輸入を決行致しました!

手段は、

MyUS.com
http://www.myus.com/

スピアネット
http://www.spearnet-us.com/move/index.html

のような、米国に住所を貰えて、そこを経由して米国通販を利用できるというもの。

米国AppleのサイトでiPadを注文して、上記サイトの住所に送ってもらえるようにし、そこ経由で輸入しようというやり方ですね。

というわけで、MyUS.comを使ってさっそく注文。問題なく注文は終了しました。

しかし、ちょっと欲を出して、その時に一緒に VGAケーブルとDockを注文したのが、全ての不幸の始まりだったのです・・・・。

実は、MyUS.comを使ってiPadを輸入すると、80ドル以上の送料がかかるのですが、その後スピアネットの存在を知り、そちらだと30ドルちょっとで済むという事が分かったのです。

で、すぐに注文をキャンセルし、スピアネットに切り替えようとした所・・・。

なんと、VGAケーブルとDockはすでに発送手続きに入っており、キャンセル不可!

げえっ((C)横山光輝)

という感じです。

なにが困るって、まず、MyUS.comにしろスピアネットにしろ、荷物単位で送料がかかってしまうので、別々に送ってこられると、すごーくまずいのです。

この時点で既に当初想定の手数料を大幅にオーバーしているのですが、それに加えて、キャンセル不可。

うーーーーん、と、計算した結果、それでもiPad本体だけでもキャンセルしてスピアネットに切り替えた方が50ドル以上安いという計算になり、本体をキャンセルした後、スピアネットで本体だけ再注文しました。

ケーブルとDockは、MyUS.com経由で既に動き出しています。

ちょっと変な事になったけど、まぁ、しょうがないか・・・と思ってその日は寝ました。

次の日、Appleからなんかメールが届いています。

見ると、

「このデバイス(iPad)は一人当たりのご注文数を制限している為、キャンセルさせて頂きました」

という通知!!

げえっ!!((C)横山光輝)

さらに追い打ちをかけるように、

「VGAケーブルを出荷しました」

というAppleからの通知。

ええっ、なんでケーブルだけ・・・?Dockは・・・?

どうやらケーブルだけ先に出荷されてしまったようです。
このままでは、ケーブルとDockでさらに別々の転送手数料がかかってしまうことに・・・。

慌ててMyUS.comのサイトを見ると、どうやら、ある程度の量の荷物はまとめて送ってくれるとのこと。きっと一日ぐらいは出荷を待ってくれて、Dockとまとめて送ってくれると期待・・・!

期待しながら、諦めきれない私はiPadを再注文しました。
たぶん、「一人当たりのデバイス数制限」というのは、一旦注文後にキャンセルした分が処理されておらずにカウントされてしまったに違いない、今ならきっと大丈夫だ、と・・・。

しかし、注文したものの、数時間後にはまた強制キャンセル。

諦めきれずに再度トライ→強制キャンセル

ちょっと趣向を変えて、MyUS.comで注文→強制キャンセル

またもやスピアネットで注文→強制キャンセル

と、何度か注文→強制キャンセルを繰り返していた所、何回目かの注文時に、クレジットカードの認証がエラーになりました。

あれ?と思ってクレカの会社に電話すると、「限度額オーバー」。

どうも調べてみると、Appleで強制キャンセルされた注文の分の引き落とし予約が、全部消えずに残っているようなのです。たぶん、タイムラグがあるのでしょう。

おそるべしアップル・・・・。なんて酷い仕打ち・・・。

と思っていると、さらに追い打ちをかけるように、MyUS.comからVGAケーブル「だけ」が届きました・・・。送料29ドル。29ドルのVGAケーブル for iPadの為に、送料29ドル。

この後、同じく29ドルのDock for iPadが、送料29ドルをかけて届くことでしょう。

本体ないのに・・・。w

会社用のクレカが限度額オーバーしてしまい、今月末の各種自動引き落としにも影響が出そうです。

なんだかやればやるほどドツボにハマっていく感じなので、空恐ろしくなり、さすがにこの辺で諦めました・・・。

おととしのiPhone Developer Programの契約に始まり、米国Appleとのやりとりはトラブルだらけです。

Appleとは、相性悪いのかも・・・。w

— posted by chikura @ 10:03PM | LinkMe | Comment (9) | TrackBack (0) |  top↑



カテゴリー モバイルApril 10, 2010

Appleの他言語締め出し(クロスコンパイラ禁止)に思うこと ID:1270861966 このエントリーを含むはてなブックマーク



Appleによる今回の「クロスコンパイラ禁止」条例の件ですが、基本的には批判の渦となっているようです。

私自身も、MonoTouchでの開発効率のあまりの良さに、そちらへ移行しようとしていた所だったので、この発表はかなりがっかりしています。

しかし、世間で言われているほど今回のAppleの対応が「理不尽」かというと、そうでもないと思います。

これは、今回の件のリリースとなった大元の記事追記記事にもだいたい同じ内容が書かれているのですが…。

まず前提として、Appleが締め出したいのは、Packager for iPhone等のように、内部的にiPhone SDKのAPIを覆い隠してしまうようなレイヤーを持つミドルウェア、とします。実際契約条項にもそういうことが書かれています。

もしそれを認めると、どうなるのか?

1. AndroidやPalm、WP7などの他プラットフォームに、全く同じUI、見栄えを持つアプリが同時リリースできるようになる。

これは一見、ユーザーにとって喜ばしい事のように思えます。ユーザーにとってはアプリではなく、プラットフォームを自由に選べる事になりますから。しかし、これは逆に言えば、どのプラットフォームを選んでも、得られる経験はほとんど同じ、というつまらない状況を招く恐れがあります。

特に、マルチプラットフォーム対応のメタフレームワークで作られるアプリは、どうしても各プラットフォームの「最大公約数」的な機能しか使わなくなります。

Appleはせっかく「これまでにない新しいアプリケーション」を出して欲しいと考えてiPhone OSを設計したのに、生まれてくるアプリがそのようなものばかりになってしまったら、果たしてそれはユーザーにとっても幸せと言えるのでしょうか?

2. 最新のSDKの機能がなかなか浸透しない。

1にも関係しますが、例えば今回のiPhone OS 4.0のように、新APIがドサッとリリースされたとしても、メタフレームワークを使っているアプリケーションは、それらのフレームワークが対応してこない限り、新APIを使う事ができません。フレームワークが追従すれば良いのですが、もし、非常に普及してデファクトスタンダード的になってしまったメタフレームワークがあったとしたら、「どの新APIをサポートして、どれをサポートしないか」を、そのフレームワークが決定し、権限を握ることになってしまうでしょう。

3. 動作が重いアプリが量産される。

私は結構この件も大きいのではないかと思っています。というのも、iPhoneなりiPadのUIが素晴らしいと感じられる理由の一つに、ユーザーの操作に対してUIがキビキビ反応するというのが非常に重要な要素を占めていると思うからです。iPhone Safariのスクロールが、指の動きにたった0.1秒遅れるだけでも、ユーザーの満足度は大きく減少するでしょう。

しかし、ネイティブAPIとの間にレイヤーを持つようなメタフレームワークを使うと、どうしてもそのオーバーヘッドがネックになり、スピードが犠牲になります。そのようなアプリを使うユーザーは、「なんだ、こんなものか」と考え、iPhoneやiPadに対する印象もそれに引きずられる事になりかねません。

iPhoneやiPadが、あの価格であのキビキビした動きを実現できているのは、Objective-Cという、C/C++に毛の生えたような低水準言語(なおかつiPhone OSのObjective-Cにはガーベジ・コレクションすら無い!)で書かれたアプリのおかげではないかと思っています。これがもしJavaや.NET等のVMを使っていたら、マシンスペックが余計な部分に取られ、動作が重くなるか、デバイスが高価になるかどちらかではないでしょうか。

そして、メタフレームワークは、内部的にVMを持っているようなものですから、Appleとしてはそういうものは最初から排除したいのではないかと思います。

---

以上のような理由から、私自身、Appleの決定に対してなんとなく、仕方ないかと諦めてしまう部分があります。

特に2.の話は、ハードウェア vs ソフトウェア的な部分もあり、せっかくハードからソフトまで一貫して作っているAppleが、ソフトウェアだけで全てのプラットフォームを牛耳ろうとする(ハードを自社サービスの「再生マシン」になり下げようとする)Adobe(もっと言えば、Googleもですが)のような方法論に対抗する為の措置、と考えれば、個人的に、なんとなくAppleを応援したくなってしまいます。Appleは別に、他のプラットフォームまで牛耳ろうとはしていませんから。自分達で作り出した世界だけは、自分達で守りたいと考えているだけでしょう。

とはいえ、例えばMonoTouch等は、内部的にはほとんどiPhone SDKのラッパー的なもので、あれはメタフレームワークとは言えないような気がします。ですから、MonoTouchぐらいは認めてあげて欲しい所…。

Packager for iPhoneについては、あからさまにマルチプラットフォームを狙っているものなので、上記の理由が全てあてはまる以上、しょうがないような気がします。

まぁ、それもこれも、Objective-Cがあまりにも扱いづらい事が理由なんですよね。
せめてあの大かっこ、なんとかなりません? C風の書き方でかけるようになりさえすれば、個人的にはまったく問題ないのですけどねー・・・。

— posted by chikura @ 10:12AM | LinkMe | Comment (4) | TrackBack (0) |  top↑



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